コラム

 公開日: 2017-07-26  最終更新日: 2017-07-28

無縁仏と合葬墓 遺骨と納骨堂 葬儀費用 少子高齢化と多死社会

今月中頃のYahooニュースで気になる記事が掲載されていました。
この10年ほど政令都市で亡くなった人の約30人に1人が引き取り手の無い無縁仏として、各お役所により税金で弔われていたことが毎日新聞の調査で判明した。

その数は全政令都市で計約7400柱に上がり、この10年でほぼ倍増、大阪市では亡くなった方の何と9人に1人が無縁仏だったそうです。色々な理由から死者の引き取りを拒む家族の増加や葬儀費を工面できない貧困層の拡大などが背景にあり、都市部で高齢者の無縁化が進む実態が浮き彫りとなっている。

上記のような案件が発生した場合は、死亡地の自治体(役所)が火葬、埋葬すると条例に定めてあります。
無縁の遺骨は公営の納骨堂などで一定期間保管され期限が過ぎれば合葬墓に合祀されますがその数は現在も増え続けているとの事。
国全体では昨年の死者数約130万人、団塊の世代が75歳以上になる2025年にはその数も152万人に達すると推計され多死社会に突入、更に無縁化が進む可能性がある。
(数値などYahooニュースより)


【参考資料】 全国、全地域の住民一人当りの生活保護費ランキング (平成24年実績)
 1位    台東区 (東京都)      128,6千円
 2位    大阪市 (大阪府)      118,0千円
 3位    奄美市 (鹿児島県)    112,9千円
 4位    田川市 (福岡県)       110,4千円
 5位    嘉麻市 (福岡県)      106,5千円

我々が住む東北は以下の通りです。
   54位    青森市            50,3千円
 192位    秋田市            29,0千円
 206位    盛岡市           28,3千円
 211位    仙台市           28,0千円
 535位    鶴岡市  (山形県)      14,7千円
 570位    山形市  (山形県)      13,7千円
 610位    酒田市  (山形県)      12,6千円
 677位    二本松市 (福島県)      10,6千円
 928位 最下位 美浦村  (茨城県)      0.0千円

※上記の順位や金額は平成24年当時のもので、現在では大きく変動もあると思います。


Yahooニュースのこれらの数値などを読み、感じることは少子高齢化、未婚者増、高齢者夫婦だけの家族、過疎や単身高齢者孤立、情報弱者や所得格差が背景に有り、この先これら事案(無縁仏)は益々増えることが予想されます。

関係する葬祭関連業界にも不穏な風が吹き込んでいると聞きます。
団塊の世代が高度成長を支え消費者の代表でもありましたが、彼らも今は静かに年金暮らし、少子高齢化が進む中、それを支える2代目、消費者となる若者世代が経済的にも先細りし、世の中の常識も変化、多人数参加でのお葬式や新たな墓地建造、仏壇購入、年忌法要なども限られた家族社会の言葉で、近い未来は死語となる様に思えます。

そのような世の移り変わりから仏教界もまた同じように、葬祭関連業界全体が経済や常識の激変に翻弄され、過疎化が進み空き寺も増加、立派なセレモニー会館も、先々の需要などの読み違いもあったのか、自らが過剰な投資競争に突入し、大きな投資負債を抱えながら困難な時代へと突入しているのではと聞こえてもきます。

只考えますに、いつの世も親兄弟、親族間の絆が消える事は無いと思います。
派手な演出、葬儀手法などに惑わされ、高額な出費を想像し、その場になって二の足を踏む事になり子供兄弟ですらご遺体を引き受け弔う事への抵抗があるのでは・・・、そのように思えてなりません。

それら業界もその時代に合った形式や営業スタイルだったのかもしれません。以前ほどではありませんが今尚変わらぬ葬送スタイルにも、少しは問題があるのかもしれません。ご遺体を引き取る、そこに確りとした絆や想いがあれば、過去の常識にとらわれず高額なお金を掛けずとも、故人の尊厳を守り、少人数でも節度を持った心温まる葬送は幾らでもあるように思います。

無縁仏と区別されるご遺骨の中には、無縁でも無く親族縁者も分る方も多く含まれているとも聞きます。

「お金が掛かる」
「長い間逢ってもいないから・・・」
「顔も分らない親族だから・・・」

役所より訃報を受けても係わりたくない理由を付けては、ご遺体の受け取りを拒否されるとか。決してそれらの行為は自身の本心ではないことと思われますが・・・。物差しの違いこそあれ、両親から命を授かり、これまで社会より育てられた一人の人間として大変哀しい事ではと考えさせられます。

高齢者の一人暮らし 親族から遺品整理依頼 50年に渡る同部屋暮らし

叔父が亡くなったと、遺品整理のご相談がありました。

「自分も後期高齢者!手を付けられる状態ではない、大変だ!」

50年間ほど一人暮らし、生涯独身で家族も居ない。
働き盛りは先々も考えずに実家にも寄りつかず、一人気ままな生活だったようですが米寿も過ぎますと何をするにも大変で、病院通いも辛く、晩年はいくつかの障害を発症され、生活保護を受けての生活だったようです。

居住する部屋は生活雑貨が散乱、まさにゴミ屋敷状態。思うように体も動かず頼る人もいない、仕方が無い事でしょうが薬袋、湿布袋があちこちに見受けられ心身共に辛い生活が垣間見ることができます。
信心深い方のようで居間と思われる部屋には、立派な某宗教仏壇が鎮座しその横にはお布施、ご寄付などのほかに長年に渡る感謝状や記念メダル、多額の受取書が埃を被り積まれておりました。

晩年は覚悟の生活状態、調理はカセットコンロ、室内電気も使用しないで全てが懐中電気。数年前のボヤ騒ぎからそんな生活で日の出から日の入りまでが生活時間。もちろんテレビ新聞なども御座いません。冬期間の暖はどのように取っていたのでしょうか?木窓の目張りを見ながら色々と考えさせる現場でした。

遺品整理作業前
自身の生活も省みずそのような宗教活動など親族も、うっすらと想像はしてはいたようですが、その方の生き様にも深く影響しているためか遠くから見守るのが精一杯だったようです。死後は親族の方で無事に葬儀も終え一段落した頃のご相談でした。

借り部屋の1階には今では滅多にお目にかかれないセメント造りの流し台に物置、浴室もトイレも無いお宅でした。急勾配の階段の昇り降りも晩年は辛かったのではないでしょうか?
トイレは近くにある公園内のトイレで用足していたとの事でしたが、これも移動が大変だったに違いありません。部屋の隅に簡易トイレが置いてありましたが、こちらの処理もまた一苦労だったと想像できます。

遺品整理作業前

遺品整理作業前

ご親族からのご要望に添い、遺品整理作業をお受け致しましたが部屋数の割に物量が多く、そうしている間にも室内温度も既に35℃まで上昇、搬出前の仕別け整理にも汗だくで大変苦労致しました。
畳の上の敷物も5重になり、最下部などは発酵状態でボロボロ・・・
4人作業で1日仕事となりましたがご親族、大家さんの立ち会いを受けながら無事に作業終了となりました。

賃貸契約内容にもより、大家さんに苦情を申し立てる立場に御座いませんが、近年の改修工事跡も見えないまま約半世紀、急勾配の階段、天井から雨漏りの染み跡、セメント流し台、木窓からの隙間風にガムテープ、トイレも風呂も無い・・・、決して住みよい環境とは思えない。
生活保護家庭を管轄するお役所もこの実態など把握していたのか甚だ疑問に感ずる現場となりました。

大家の奥さんも我が家で初めて見る貸部屋の光景に50年の歴史を感じたとかで、初めて見る整理後の空部屋、自身がお嫁に来る前からの住人だったとのことで不思議な思いでガランとしたお部屋のあちこちを見つめているのが大変印象的でした。

「この機会に解体するの・・・」
大家さんがささやくように仰ってました。

遺品整理作業後

今回の作業現場の写真は・・・こちら

海外から子供と一時帰国 親の遺品整理 悲しみの中で一人作業

昨年亡くなられた母親の遺品整理のご依頼でした。海外より帰国した2ヶ月の間に法要と合わせお母様の遺品整理を計画されておりました。本来なら子供さんと一緒の楽しい里帰りと言いたい所ですが、心の区切りを付けるべく覚悟の帰国、そして遺品整理作業となったようです。
(移動には24時間ほど掛けての帰国となったそうです)

お見積りから契約まで日数は掛かりましたが、ご依頼者である相続人は海外在住の方だけにほとんどの家財、家電品も含め買い取り、もしくは処分品となりました。一部の家具は親族間で形見分けとして譲り渡す事になった様です。
両親とも若い頃から海外生活が長く、晩年は東南アジアで十年ほど暮らしていたようで、家具類も海外商品で細々とした飾り物までが殆どがアジア家具です。

遺品整理現場

遺品整理現場

遺品整理現場

遺品整理現場

遺品整理現場

遺品整理作業中も生前親が大切に使用されていた家具、想い出一杯の品、買い取り品の運び出し時にも時々は想いだしては手が止まり涙、そして涙・・・。
本当に見ているだけでもこちらも大変辛くなりました。

一品だけでも形見分けとして海外のご自宅へ運び出したくも、なかなか難しく何を運び出しても、只々茫然と見送るだけ、それだけに作業する私達も大変心苦しい、そんな雰囲気の中での作業となりました。

月末まで掛けて親の衣類や小物の整理仕訳も予定、生活家電やベッドなどは最後の運び出しをお約束、また大型家具なども次回の運び出しとなります。
一人っ子だったようで仕分け作業も大変そうです、アルバムなど整理中にも勇気を持って体を震わせながら廃棄を宣言!
「自分にもあるから・・・」
小声で言いながらも何か自分の心に強く言い聞かせてるようにも感じました。

いまだ遺品整理途中で月末までの作業予定、最近多いと聞く遺品整理鬱などの心労も大変気がかりです。地元にいらっしゃる母方の叔父さん達には、色々な法手続きや法要のお手伝いなどでご苦労したことは承知もしておりますが、姪を思いやる声掛けや形見分けを頂くだけで無く、少しは姪に寄り添い、その実作業の手助けでも・・・と、そんな事を勝手に思いながらの作業でした。

日本家具と違い、非常に重く一つ一つ運び出すにも重労働、またご契約者の健康状態を気遣いながらの大変気の重い作業となりました。
全てのお役所手続き、遺品整理が無事に終え、悲しみの中でも親子でご主人様がお待ちしているご自宅まで無事に帰国出来ます事を願うばかりです。

遺品整理に関するお問い合わせは・・・こちら


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